儘・嵐山邸宅 MAMA

阪急電鉄の元保養所の改修プロジェクト。DAYinc.では開業までの企画・設計から、開業後の運営までを一括して行っています。クライアントからの要望は地域の活性化につながるような場所にすることでした。保養所をそのまま改修するだけでは地域に閉じた場所になってしまうため、宿泊客以外にも地元の方や観光客が交流できる場所として、街に開かれたレストランを新たにつくりました。

ホテル、レストランを含む施設全体を「儘」という言葉を元にブランディングを行っています。「儘」には「ありのまま」「そのまま」というものの良さを大切にするという意味と、一方で「わがまま」という自分たちではコントロールしづらいような意味も内包しています。すべてをコントロールするのではなく、余白を残すことによって、素材の新旧、自然と人工物、人と建物、地元の方と観光客など、異なる要素が心地よく共存できる状態を目指しました。

「嵐山邸宅MAMA」は全十室のホテルです。各客室は既存の建物の良さを活かしながら、木や和紙、土などの自然素材を中心とした丁寧な改修を行いました。また地元京都の職人「片井意匠」によるあたたかみのある手作りの家具が置かれることで、一つ一つ大切に作られたものに囲まれた空間になっています。過剰なものではなく、素材の良さや丁度良さの延長線上にあるラグジュアリーを目指しています。

「儘」は、薪窯で焼き上げるピッツァを中心にグリル料理など、シンプルな調理方法で旬の食材や地元の食材を楽しむことのできるレストランです。既存の建物を活かした暖かな空間の中に、薪窯が見えるテーブル席、大きな吹き抜けが特徴的なビッグテーブル、小さな個室から20名程度まで利用できる大きな個室があり、様々な方に様々なシーンで利用していただけるような計画としました。宿泊客や地元の方々に末長く愛される場所を目指しています。

用途:飲食店 / ホテル
所在地:京都府京都市右京区
敷地面積:1,482㎡
述床面積:802㎡
建築面積:583㎡
構造:木造(一部鉄骨・鉄筋コンクリート造)
規模:地上3階
協働:岸本姫野建築設計事務所
協働:ザッツオールライト
カーテン:fabricscape
家具:片井意匠 / ARIA / ARC
和紙:Wataru Hatano
提灯:Kojima Shouten
造園:IRODORIMIDORI / enen
ソファ:Murakami Isu / OTUS
写真:Yuna Yagi

https://mama-arashiyama.jp/